12月映画鑑賞レビュー
ビューティフル・ボーイ ★★★
妙なリアルさを感じる映画。
ドラッグの派手な描写なんかは少なめで、日常を描いている感じが多かったので、
じわじわとリアルに感じられたのかもしれない。
立ち直れてると思っても、シラフになったと思っても、完全に断つには長くかかる、
そしていつも、また初めてしまうのではないかとひやひやしながら生きていく。
ふとしたことで始まってしまうのかもって。
本人はもちろん、
周りの家族は自分でコントロールできないぶん、すごいストレスだと思うね。
この父親は無償の愛を持っているのだけど、あの高めの声で心情を吐露する姿から
そのストレスを激しく感じましたよ。
そして再婚相手の彼女(ERのアビー!)がたまらず車で追いかけるシーン、
なんとも言えない、グッドシーンだと思う。
彼のこれまでの辛さを一番身近で見てきたからこそ、だ。
そして心が切れた彼…
それでも諦めないと言う母親、
すべての感情が3人を通して表現されているようだ。
クーパー家の晩餐会 ★★★
予定通り!ではあるけど結構面白いし好きな感じ。
アメリカ人にとってのクリスマスって
日本人にとっての正月みたいなもんで、
普段都会でヒールをカツカツいわせて歩いてるギャルも
大きな荷物持って新幹線のホームに立って、
だんだん方言が増えてくるローカル線に乗り換えて、
僕はそんな光景が凄く好きで、
と話が逸れたけど、
年に一度親族なんかも集まる場には
当然いろんな思いや立場を持って集まるわけで、
そこはどの国の人も同じかなって。
18歳で実家を出れば、
36歳になれば実家で育った時間よりも
外の時間の方が多くなるわけで、
そりゃ考え方も何かも家族と完全に共有はできなくなるよね、
と、また逸れたけど、
それでもやっぱ家族は家族なんだろうな、
っていうハッピーな終わり方で良かった。
ブレードランナー ファイナル・カット ★★★
今更見ました。
37年前に想像した未来、
車は空を飛ぶ、
レプリカントは人間そのもの、
それを判別する装置は変なギミックのメカ、
レプリカントの目やクローンの蛇とか作られてる、
傘は傘。
携帯電話という概念はない、
タッチパネルの概念もない、
当時想像できたものとできなかったもの、面白い。
AIという概念はあるものの、
やはり漠然としているので、人間そっくりであることが人工知能という感覚だった。
エイリアンしかり、ターミネーターしかり。
今のAIは、人間そっくりである必要はない、というとこまで昇華したように思う。
というか、人間の5本指の動きを再現することは今でも難しい。