11月度映画鑑賞レビュー その1 ★3つのものたち
11月は 映画館へ1回しか行かなかったようです。
その代わり、アマゾンプライムで映画を観るのが増えました。
まともな男 ★★★
唯一映画館で鑑賞した映画。
まあなんか、全ての判断が悪いほうへと転がっていく感じの、
多少はみんな思い当たるようなお話。
誰かのためを思って行動するんだけど、それが間違っているという。
妻、娘に対し弱い父親像は外国でも同じなんだな…と。
あまり「頑張れ」とか、感情的になれない映画。
アルコールが入ると切れる父親は面白い。(というかダメ…)
そして妻を求めてあしらわれる姿と、
仲直りしたのか、フェラされて恍惚の表情を浮かべる姿は笑える。
結局、自分がよければ他人のことはどうでもいい、という結論。
だと思う。
ブルーに生まれついて ★★★
歌がしびれる。
特に最後の、「霧から抜け出せない僕…」ってね。
そうなんだよね。
どん底から這い上がってまた昔と同じステージに立つことは凄い。
それは普通はできないことだから、
レジェンドと言われる所以でもあるのでしょう。
ただ、一番大事なものを失うことが分かってても
抜け出せない僕…
生理的なものなのか、メンタル的なものなのか…
悲しくなってしまう映画。
歌にしびれるのは、やはり歌詞がその人の人生を反映しているからだ。
嫌な自分を歌っているから。
だから響く。
今の日本の若いミュージシャンはドラッグをやれとは言わないけど、
もっと堕ちるべきだ。
ヒトラーの忘れもの ★★★
勝者がいれば敗者がいて、歴史の表舞台があれば裏舞台もあり。
ナチスドイツの行ないを描いた映画は結構あるけど、
その逆、しかも戦後の話は見たことがない。
お話としては単純なもの。
ただし内容は悲惨なもの。
ヒトラーの忘れ物というよりは、戦争の忘れ物。
現代のように探知機なんかで地雷を除去する技術が無かった以上、
人力に頼るしかないのは事実。
だとすると、それを誰にやらせるか…
その立場になれば判断は決まっているようにも思う。
それが戦争の忘れ物だ。
映画で描かれている軍人のような人がいたかは分からないが
(多分いなかったと思うけど)
人間としての心を目覚めさせてしまったことは良かったのか悪かったのか。
フェンス ★★★
割と予想外の展開で、急展開だった。
黒人差別と家族愛をメインテーマとして映画だと思っていたのだが、
(もちろん黒人差別は登場人物のバックグラウンドに大きくあるのだが)
それ自体がどうこういう映画ではなく、
一家族、夫婦のお話だった。
ただ全く共感できない、応援できない父親。
日本でも過去の産物とされる父親像。
あきらかに近所でも有名なうるさい親父。
出演者はみんな良く、
デンゼルワシントンは上の父親像を完璧にしていて凄かった。
しゃべりまくり。
妻や息子が思いをぶちまけるシーンもそれぞれの俳優が
思いがこもっていて凄くよかった。
ドライビングMissデイジー ★★★
モーガンフリーマン。
そしてジェシカ・タンディという女優、多分始めて認識したけど、
きっと凄い女優さんだ。
こっそりと、というか、何年後…とかいう字幕無く時が流れる映画。
元々高齢な二人から歳を取るわけだから外見はそれ程変わっていかないんだけど
二人の距離が少しづつちゃんと変わっているのがすごい。
ちゃんと何年も付き合ってできた関係性を演技できてると思った。
この映画では、とあるイベントがきっかけで二人の距離が急に縮まるというようなことは無い。
だからこそ、見てる人が「ああ、ちょっと仲良くなってる」
とかって自然に思えるのがすごいなぁ、と思った。
静かないい映画。