5月映画鑑賞レビュー その2
バジュランギおじさんと、小さな迷子 ★★★★
これは非常に面白く、興味深い映画。
まず、ハートフルで分かりやすいお話なので単純にエンタメとして面白い。
インド映画特有の歌踊りもあり、一昔前ほど濃くなく程よい感じなので見やすいロードムービー。
で、この映画の本当に興味深いとことは、インドパキスタンのお話であるとこ。
まずインド、パキスタンの国境越えである。
映画で国境越えと言えば、メキシコ、アメリカ間である。
ほぼベニチオデルトロが出演する黄色フィルターの掛かった映画、
大金をはたいたメキシコ人が命を掛けてアメリカとの国境を越え、
もしくはメキシコの麻薬カルテルを壊滅させるべく屈強な男たちが国境で渋滞してる車をどんどん追い抜きメキシコへ入る、というもの。
インド、パキスタンの国境を描いた映画は僕は初めて見た。
その国境は危ない、外務省の安全情報でもオレンジゾーンになってることは知ってるけど、イメージしたことが無かった。
ここでも米、メキシコ間と同じように密入国する人がいて、
国境警備隊がいて、密入国を請け負うブローカーがいるんだ、ということを知ってしまった。
そしてやはりヒンドゥー教とイスラム教の描写でしょう。
この映画は、ハートフルなので、そこまでひどく対立を描いていないし、
ロードムービーなのだから異教徒の主人公を助ける人が出てきて、
お互いに歩み寄っているというメッセージ性なのだけど、
逆に言えば、このような話を作った背景にはどんな酷いことがあるのだろうか、
と想像せざるを得ない。
無宗教国家日本に住んでいて、このような新しい視点を得られただけでもこの映画の価値は大きいと思う。
TOKYO! ★★
海外の監督による3話のオムニバス、非常に世にも奇妙な物語的。
1話目が一番好き。
やっぱ全人類共通の話題なんだね、こういう恋もの。
突如なんだそりゃ設定になってしまうのだけど
何故かそれを受け入れてしまうスムーズな流れがあった。
毒蛇なのに舌を噛んじゃったんだよね…みたいな話してくる彼女欲しい。3.5点
2話目
糞。よくわからんし面白くない。
フランスの奇才なんて、地球上最強の奇才だよなぁ。
1点。
3話目
太もものボタン素敵。
ポンジュノ監督なのでこれ目当てで見たのだけど、
やっぱ一番身近な話題で違和感なし。
香川照之と蒼井優に竹中直人とな。
竹中直人のキャラそのまんまなんだけど、
この監督相当邦画とか見てるんだろか(笑)3点
タンジェリン ★★
ものすごいイエローフィルターのかかっている映画。
序盤ちょっとたるかったけど、
見てると結構面白かったかな。
トランスジェンダーの娼婦という
ストレートからしたらぶっ飛んでる人らが
「黒人がスケートボード?」
みたいな事を言う。
え、そうなの?という新しい発見。
人種も性別も嗜好もぐちゃぐちゃという、
カオスな人たちの交わりではあるんだけど、
すこしづつ切り取ってみれば
それは当たり前の普通のことで、
チンチンが付いてても付いてなくても関係ないの、
という結局よく分からない内容ではあったけど、
ロスの黄色いクリスマスの群像劇としてそこそこの面白さはあった。
こんな人たちもいるんだね、
という自分の幅を広げることができた。
かも。