12月映画鑑賞レビュー
オールド・ボーイ ★★★
この映画、原作は日本の漫画とのこと。
こんな漫画が日本であったのか…
と思ってたけど、やはり違うよう。
ちょっとネットで調べてたところ、長年監禁されていて、その謎を…
みたいなところは同じようだけど、
話の根幹、監禁された理由、その復讐は全く違う。
全く違う物語。それでも原作というとことは律儀である。
その根幹の部分をあんなことにしてしまうなんてちょっと発想がやばすぎる。
このストーリーはなかなか上手くできていたと思いますよ。
終盤にかけ謎が解けていくにつれ気持ち悪さが増す、
そして復讐の内容、ラストの展開は気持ち悪さ満点です。
それでいいのか!
と、うなってしまいます。
倫理的にNG!!
昨今の邦画ではできないんじゃないでしょうか。
こういう映画と作る野心があり、それを大々的に配給する。
この映画は2003年のものですが、こういうところから映画IQの違いがあるのでしょう。
日本ではこのような野心をもったクリエーターはいても、
それをエンタメとして配給する大手がない。
なぜなら視聴者に受けないから。
なぜなら、視聴者の映画IQが低いから、まだ水戸黄門的な予定調和のものしか受け入れられない、
知らないものを見たくない、という思いが強いのだと思います。
でもいいエンタメってのは、そういう普通の人間の発想の斜め上をいくものだと思います。
でも、日本の文学なんかを読むと、かなり斜め上だったりする。
もうなんでそうなるの!なにその発想!みたいなのがたくさんある。
だから日本人にそういう素養が無いわけでない。当たり前だけど。
多分今の社会の風潮、雰囲気によるものなんだと思う。
余裕がないんだと思う。
話がそれたけど、この映画は内容はかなりグロテスクではあるけど、
そことエンタメのバランスが良いことがいい映画であった要素のひとつ。
これで全編ダークサイド感で描かれていたなら、
ノワールになっていてより人を受け付けなくなってしまう。
そこが、格ゲーみたいな構図で敵の軍団をなぎ倒していくシーンなんかがあったり、
第四の壁を超えるような超えないような演出もあったり、
ちょっとコミカル感がところどころにあるので息抜きできて見やすい。
ちょっと長さを感じてしまったけど、
見終わってぐっと疲れを感じる面白い映画でした。
アメリカン・アニマルズ ★★
犯罪系、というか、映画の中でもちらっとでてくるけど、
オーシャンズ11とかそういうのに影響された若者の犯した犯罪のお話。
本人、家族登場してるのはなかなか面白いけど、
特にそれ以上ではなく、この映画自体が何を目的としているのかがつかめなかった。
事実を伝えることなのか(本人達を出演させたのはそのため?)、
エンタメ化するのか、
後者であるならば全くのエンタメ感不足だったなぁ。
クライム系としては高揚感少なめ。
最後、一人は作家、一人は映画を学んでいる…って…
まさか!って思ったけどそうではないよう…
これで自分達で映画作ってオチだったら最高だったのに…。
ウェイバック ★★
古そうな映画だったけどコリンファレル出ててそこまで古くなかった。
物語としては定石です。
戦時下の収容所から脱走して過酷な自然を歩き歩き、
シベリアからインドまで行くというお話。
インドはダージリンですね。
脱走系ではあって、定石的な展開ですが、
警察や軍が追ってくるみたいなお決まりパターンはありません。
とにかく寒い暑い水無いていう辛い描写の2時間です。
とにかく自然と戦う映画です。
なのでちょっと長いです。
あんなに信頼関係が築けるだろうか…
本当に途中で女性と合流したらどうなるんだろうか…
私の心が腐ってるのだろうか…
映画はフィクションといっています。
原作は原作者の体験を…ということですが、
実際には実話かどうかはどうやら闇の中のようです。