6月度映画鑑賞レビュー
A GHOST STORY ★★★
一風変わった映画。
ゴーストものであって、
演劇のようにシーツを被っただけの子どもが絵に描くような幽霊。
CGとか使って幽霊っぽくしたりもせず、
そのまま普通に撮影されていてある意味新しい。
定点映像多く、とても間のある映画。
シーツを被っているけど、なんとなく感情が伝わってくるのが面白い。
時の流れが面白く、いつの間にか壮大な話になってるけど、
そこにあるのはある個人のある想いだけ。
深読みしてみれば、この世界は何なのだろうと、
壮大な時間の流れのなかで我々の生き死には一体なんの意味があるのか、
なんて考えてもみたくなる。
あるパーティーである男がそんなことを説教していたけど、
そこらへんがこの映画の全体に通じるところな気がする。
これは911を題材にした映画で、
私は911を題材にしたアメリカ映画はなんとなく見るのを避けていたわけで、
というのも、その映画はアメリカンパトリオット的な映画になるんだろうな…と思っているから。
この映画がスティーブン・ダルドリーが監督と知ったので見てみた。
だってイギリス人だし。
なので、全くアメリカ万歳な感じはなく良かった。
父親の死という辛い思いを受け止める少年の話で、
それを辛くも見守る母親の話で、良かったと思う。
んで、この映画を見て少し考えたのは、
母親が「心配でしかたなかった」けど、
子どものめちゃくちゃな行動を見守っていたこと。
昨今の過保護が過ぎるような風潮に対して、これは私にとってはすごく重要なことと思う。
子どもには親から離れて何かをする時期というのが必要だと思うから。
そしてそこから飛躍して、
911後、人種、宗教、国籍の違いを強くしてきている世の中で
結果的に人との繋がり作る行動をしまくっていた。
自分の成したいことをするためには人との繋がりを無視してはできない、
と言っていたりするのではないだろうかと。
何か意味があるように思う。