3月度映画鑑賞レビュー その2
ブラック・クランズマン ★★★
まあおもしろかったですが、これも作品賞レベルではないですが、
グリーンブックよりはいいかな。
現代に生きる私たちから見れば、KKKなんて気持ち悪い集団、
でも当時はそれがまかり通る(とおってないけど)世界だったわけで。
映画に出てくる政治家も実在しているわけで、
いろんな主義主張をできるのはアメリカのいいところではあるけど、
それが絶対的に間違っていても大きな勢力を作れてしまう、
そして権力を持ってしまうのが悪いところ。
時代とともに変わってくるけど、主張には絶対的に間違っていることと
そうではないことがある。と最近思う。
日本は主張できない国なので、平均点、低め安定の世界。
過激な主張はマイノリティとして撃たれるため極端に振れはしないけど、
それについて議論せずに蓋するので良くもならない国。
最初の黒人運動家の演説はパワーがありましたね。
すごく面白くなるかなってちょっと期待しましたが、
あとはまあ、普通でした。
他にも実際の演説や事件の映像も挿し込まれてましたが、
トランプの演説が一番チープでしたね。
言葉がね、語彙が無いんだろうね、と。
女は二度決断する ★★★★
若干ネタバレします。
「無実ではないが無罪」、これなかなか受け入れ難い。
「疑わしきは罰せず」の原則というのは分かるけど、
被害者側からしたらどうしたらいいのか。
彼女の揺れ動く心情がストレートに伝わってきて
なかなか辛く面白い映画だった。
彼女の心情や行動は分かる気がするんです、
自分もそういう性格の人間なんだろうな、って思うわけで。
一度爆弾を仕掛けることを止めるとこなんか…。
理性、というか、善悪と、怒りとを、
そのまま飲み込んで一生生きていくのか…
それを考えてしますのですね。
別の視点では、日本とは違う感覚を垣間見れて面白かった。
日本人なら被疑者の親は多分謝罪するところ、
罪を犯したのはあくまで別人、
息子であれ別人な訳で、自分には責任が無いから謝罪ではない。
娘の夫でも他人、息子の妻でも他人であり、
そこに義理の娘、息子としての思いはない、
平気で悪く言える、これは海外の映画ではよくある光景。
面白いなぁ、と思った。
モリーズ・ゲーム ★★★
本人の語りがメインで進んでいって、特に冒頭の語りはテンポよく、
引き付けられる感じで面白かった。
早口で次々としゃべる感じが彼女を表現しててよかった。
斜面の角度とか図示されるのも面白い。
若干第四の壁を越えているw
そのテンポのまま、あれよあれよという間の怒濤の展開。
脚本が良いと思う。
正に強い女な印象。
強い男達を支配したかったということだけど
最後の父親の3分カウンセリングに落ちるわけね、彼女を突き動かしたものは。
彼女が弁護士の部屋で法律書を触った瞬間、
ああ、ロースクールに行く予定だったよね…
と一瞬立ち止まるも、すぐにリスタートする可憐な展開、強さを感じました。
彼女の人生そのものだったのだろうか。
同じ冬のスポーツ、強い女がらみてとこで
「アイ、トーニャ」があるけど(DVDの予告に入ってた)、
裕福かつ学歴がある場合とそうでない場合、そんな感じの対比を勝手に感じた。
サスペリア ★★
150分もあるホラー映画。
深い眠りに落ちたような…でも何故か見終わった後のスッキリ感。
いや、全然スッキリしないんだけど…
魔女のお話です。西洋の魔女といのは、なかなか闇が深い。
魔女狩りやらなんやら近代の闇、
そこんとこの知識がもっとあれば…と思いました。
なんとも、なんと形容していいのかという映画。
エンタメ的な面白さは……だけど
どこか後を引く感じ、そりゃ引きますよ。
トラウマになりそうになる気持ち悪い形態、さくっと出てくる血や内臓。
警官をもてあそぶ寮母達がほんと怖いです、魔女なのだけど。
結局何なのか良く分からんのだけど、
ラストのスージー無双っぷりは凄し。
ここが見所ですね。
そして翌日ちゃんとお掃除してる寮母達(笑)
え、マダムブラン…生きてるの??そこんとこ分からない。
オリジナルは3部作らしいけど、続編あるのかしら…。
暗くモノクロっぽく抑えた感じから
ラストの赤の点滅、脳ミソがバチバチして刺激的でした。
ファントム・スレッド ★★
個人的にはあまり感じませんでした。
なんかよく分からんかった。
狂気的なものは感じて、
同じポール・トーマス・アンダーソン監督の映画、
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドが動的な狂気だとしたら
こちらは静的な狂気といったところか…。
なんだかあんまり惹かれるものはなかったなぁ。
美を極めたおじさんの歪んだ性癖と
シンデレラストーリーを得た若い女の歪んだ性癖が妙にマッチしてしまったのか…。
とは言っても性的なことは描かれないんだけど、
そこはチープにならなくて良いとこである。
ドS極まりドMみたいな…。
このレビューを見ると、完全に変態映画のように読めますねw
3月度映画鑑賞レビュー その1
3月はアカデミー賞関連の映画の公開ラッシュでした。
かなり楽しみな映画がたくさんでした。
グリーンブック ★★★
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2019年アカデミー賞作品賞受賞作品。
Oscor goes to・・・Green book!!
いい映画で面白かったですよ。
非常に上品で優等生的な映画かと。
すこぶるよくあるストーリーにもかかわらず、
ふと話に入り込んでしまうところは、
マハーシャラアリが良かったのでしょう。
時に見せるあの笑顔は素敵。
有名人だとしても、そこを離れればあくまで黒人、白人と同じ対応をされない、
今の私たちの感性、知識では何ともお粗末な思想だけど、
この映画に出てくる白人達は何の悪びれもない、
そう、「悪い」という概念のない時代や土地だったというのが恐ろしいことだ。
今現在の我々にも何か気づいてもいない事があるのではないだろうか、と。
よい映画ではあるが、作品賞を獲るレベルの映画かな?とは思った。
(必要かは分からないが)毒が全くない。
「それでも夜はあける」、「ムーンライト」のような
心をえぐられるような何かは無かったかな。
そして、これは俗に言う、「良い白人」映画。
イタリア系ということで、アメリカでは差別される人間、ということらしいが、
イタリア人のそれと黒人のそれを比較してはいけない。
ドクター(主人公の黒人ピアニスト)が差別されるシーンも
それ程嫌な感じを映像には表現せず、つまりこれは白人にとって見易い、
あまり罪悪感を得なくて済む映画と見ることもできるな。
確かにこの内容で作品賞を獲れば、
スパイクリーに批判されても仕方ないと思う。
ヒトラーから世界を救った男 ★★★
これは2018年のアカデミー賞関連ですね。
歴史にifはないのだけど、
彼のこの決断はどうだったのだろうか。
結局後5年間、世界を消耗させたわけだし。
ただこれが無ければヨーロッパはナチスのはナチスの支配下に堕ちていた可能性もあるし、難しいとこだ。
ただ、感情に任せた政治家であったことには間違いはないようだ。
論理的に考え、論理的に正しいと思うなら国民の感情は無視する必要があるときもあると思うしなぁ。
映画としては、
この内容がどこまで本当のことを描いてるのかってのが気になるとこではあるけど、
上記のことを知れて良かったよ、と。
イギリスっぽく?暗い画面でよく見えん(笑)。
国王がどことなく顔似てたり(笑)、さすがメイクアップ賞。
本来はラストの演説は感動するべきシーンなんだろうけど、
あんまり盛り上がらなかったなぁ。
やっぱ自分の思想にも依るのだろうなぁ。
her/世界でひとつの彼女 ★★★
これは2014年の映画のなのでまだ今ほどAIが現実味を帯びてはいなかったかもしれないけど、今ならこんな事も容易に想像できちゃいます。
2次元を通り越して無限次元への恋。
OSの彼女の心って何なんだろう…と気になってしかたない。
人間の思考も突き詰めれば細胞同士の電子伝達なので
OSのそれも一緒なのかもしれません。
思考は比べられない程で圧倒的スピードで進化する彼女についていけなかった、
人間同士の恋も同じ様なことあります。
相手はOSだったけど、この恋の成り行きは人間のそれと同じだ。
どちらかの考え方が変わっていけばこうなっちゃう。
結局は他人の思考にはついていけないのです。
特に女の子が何かに目覚めた時、
どんどん先へいっちゃうスピードは男よりも圧倒的に早い(笑)
OSの声が良かったです。
日本で作ったらもっと若い可愛い女の子の声になるんだろうけど、
落ち着いた大人の女の声で良かったです。
(そりゃスカーレットヨハンソンですから)
ターザン REBORN ★★
ターザンというファンタジーなんだけど、
実はあのお話(ベルギーとコンゴの話)は史実であり、
サミュエルLジャクソン演じるジョージ・ワシントン・ウィリアムズ
(大統領かと思った…けど違うぞ)は実在の人物。
ターザンていうファンタジーと史実融合させているという、
割と以外なものだった。
幼い頃に野生の動物に育てられた人間は
人間の言語を覚える事が困難だったらしいので
ターザンはかなり希有な例ですな。
2019年3月の投資状況
2018年度も終わりました。
来週から2019年度です。
私の投資状況は全く芳しくありません。
保有株式はほとんどマイナス評価…。
殆どが損切りできずに塩漬け状態です。
先日窪田製薬の株を買い、一瞬ストップ高でかなり利益がでましたが、
3日天下で今はあれよあれよとマイナス評価…。
やはり欲を出さずちゃんと売り注文を出しておかないといけません。
これ、何回も何回も繰り返してること…
センスないですね。
投資信託はまずまず頑張ってくれてるのでまだ生きながらえてますが、
株式はどうしたものか、
2019年もプラスに転じることはできないものか…。
損切りせずにどこまでいけるかってのを試してみたくなっておりますw
一応、株式は余剰資金でやってますので、
当面困ることは無いです。
追加の資金投入もしてないので、この点は、自分ルールを守れていて良かったと思っています。
2月度映画鑑賞レビュー その2
ローマンという名の男 ★★★★
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これは面白い映画。
デンゼルワシントン、凄すぎ。
この人、本とに自分を消してどんな役にでもなれるのですね、
もうローマンにしか見えないのだよ。
最近多い実話物は、実際に人物がいて、
何を考えていたのか、どんなバックグラウンドがあったのか、
というヒントを得る事ができる。
でもこの話はフィクション。
2時間には到底ローマンの全てを描くことはできないのだから、
そこをローマンがどんな人間かを表現するのが俳優なわけで、
デンゼルワシントンはそれが凄いのだよ。
なんかこういう、それまで裏方だった目立たない人が…っていう話、
日本的で日本人は好きな話かなぁ、て思うけど、
(窓際サラリーマンの活躍とかメガネ女子が可愛かったとか…)
意外とアメリカだとそう多くは無いのかもね。
と、特典映像見ながら思ったりした。
アメリカはヒーローの国だからね。
なんか、1回映像で映った同じ道で事件が起こったりと、
何か伏線みたいな映像もあったりして、伏線ってほどではないんだけど…
上手い作りだったように思う。
まあ、何はともあれ、デンゼルワシントンありきの映画。
確かに彼じゃないと成り立たないような映画。
面白かったです。
アニマルズ 愛のケダモノ ★★★
母は強し。だな。
何だか、そこが印象に残ったなぁ。
自分の事を非難されても、
なりふり構わず娘を助けようとする。
うん、やはり母は強し。
方や、背景はよく分からないのだけど、
ダメ男(ダメというレベルではないが)に共依存してしまう女。
非常に理性的で観察力鋭かった娘。
彼女は女の共依存の内面を見抜いたのだな。
彼女に比べ、あの女は圧倒的に人間的に弱かった。
だから最期のシーンは、彼女はスルーなのだな。
オーストラリアというのは時にこんなシリアルキラーが現れるのか?
どこの国も時にはそうか…
気持ちのいい映画ではないが、
同じオーストラリアのスノータウン程胸くそ悪くはなかったし、
ちょっと身構えてたけどグロくもなかった。
でも事実は最高に胸くそ悪い。
女3人の比較が面白いところである。
愛のケダモノってなに…
ヒトラー ~最後の12日間 ★★★
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ヒトラーの最期に焦点を当て、
ドイツ軍上層部内部の様子なんかを描いていて他の戦争物には無い感じで良かった。
また別の側面も知れた気がする。
もう最期の方はぐだぐだだったんだね…。
酒浸りの軍人達は何?
現実逃避の?パーティーは何?
ヒトラーの最期の姿というよりは、
ドイツ軍上層部の最期の姿を強く描いてるような感じ。
うむ、なんだか日本軍と同じだね。
命令に背くものは銃殺し、
総統に忠誠を誓い、降伏するくらいなら自殺する。
同じじゃん…。
歴史上随一の教養大国であり合理的思考大国であるドイツでもああなってしまう、
戦争とは恐ろしいものだ…。
(これ最近読んだ本に書いてありました(笑))
教養無い大国の、教養の無い大統領だとどうなることやら。
原題のUNTERGANGてのは没落という意味みたいですね…。
今そうなろうとしてるのは…。