2月度映画鑑賞レビュー
作品賞はパラサイトでしたね!
どっかの評論家が言っていたように、「これまでの」アカデミー賞なら1917が獲っていたいた、と。
私もそう思います。
白すぎるオスカーとか黒人が賞を獲りまくったりとか、
そういうネタはきっとなくならないんだろうな、と思いますが、
少なくとも、作品賞という舞台に外国語映画が上がれる前例ができました。
それは素晴らしいことだと思います。
1917 ★★★
前述のとおり、作品賞を獲ってもおかしくない映画。
個人的にはサムメンデスと言えばアメリカンビューティーで作品賞を獲ったのを思い出します。
アメリカンビューティーは、ポリ袋が空に舞う妙な美しさから…とかなんとか言っていた気がしますが、
この映画も、どことなく美しさと物悲しさを感じる映画。
数ある戦争映画において、どれだけリアルにどれだけ激しく、
ということが追い求められているような昨今、
当然の如くリアルさはあるのだけど、それだけではない美しさを感じられます。
それは流れるような、本当にスムーズな、ワンカット映像が成したのかも。
プライベートライアンのような話と、シンレッドラインのような美しさを持ってるかも…。
これはスクリーンで見るべき映画です。
タクシードライバー ★★★
超有名映画ですが…知人から、ジョーカーに通じるものがある、
ジョーカーのロバートデニーロは絶対この映画のオマージュだ、
と聞いて観たのですが、
確かに昨今の社会から弾き出され苦悩する人間を描く映画の走りかもしれない。
いつの時代も同じなのだな。
ラストの展開はいかにもアメリカらしく、
この映画ではその時点で終わったけど、
皮肉なのか、少なくとも僕にはアメリカへの皮肉に感じられた。
好かれ、嫌われ、また好かれみたいなアメリカ。
もっとジョディーフォスターが全面に出てくるのかな、と思ってたけど割りと淡々とトラビスの変容が描かれる映画。
人生タクシー ★★
たまたままたタクシーもの。
期待したのとちょっと違って、あんまり感じなかったです。
イランの人々の様々な考え方なんかを垣間見ることができて新しい発見にはなったけど、それを詰め込みすぎた感じがある。
今のイランの考え方、こんな人もいるよね、
みたいなのを全部お客にしちゃった感じで、
イラン人の大げさな気質も相まって嘘臭く見えてしまった。
中途半端にヤラセをしたNHKの72時間みたいな感じ。
ドキュメンタリーならドキュメントで、
脚本ならもっと本気で脚本作ってほしいかな、と思った。
冒頭の交差点の様子を映す定点の映像は不思議と凄く面白かった。
面白い映画が始まりそうな予感があっただけに残念。
羅生門 ★★★
もはや古典。
羅生門だけど、内容は藪の中がメインなのですね。
芥川羅生門の老婆がいつ出てくるのやら、と思ってたけど出てこなかった。
しかし、ちゃんと、と言ったら失礼過ぎるが、やっぱ面白いのね。
さすが、黒沢。
いや、まぢで失礼過ぎる。
もうメタメタな戦いとか、
実際はあんなんだったんだろうな、とか思っちゃう。
現代のスパっと一太刀で切るような剣術でなくてね。
んでもって人間ってなんなのよって話。
何のために嘘ついてんのか、何を守りたいのかって話。
白黒ってもあるけど、役者さんがギラギラしてて良いわぁ。
これも三船に失礼(笑)
賭ケグルイ ★★
漫画を読んだので見てみた。
実写化にしては、早乙女以外は割りとキャラは合ってる気がする。
そもそもとんでもな設定の漫画ではあるが、
実写化特有のオリジナルストーリーが非常にチープ。
なんで実写化でオリジナルストーリー作ろうとするんだろうね…
面白いと思ってんのかな…
終盤、黒目が小さくなるエフェクトが新しくて面白かった。